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【修羅場】定年退職した70歳男性が、妻から邪魔者扱いされ、人生を取り戻すまでの話【1/5】

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俺の知人D男(仮名)の話を聞いてほしい。

D男は70歳。今年の3月、大手メーカーを定年退職した。

妻は68歳。結婚して45年。子供は2人。すでに独立して、それぞれ家庭を持っている。

D男は、40年以上、会社一筋だった。

朝7時に家を出て、夜10時に帰る。土日も接待ゴルフ。家族旅行なんて、ほとんどなかった。

でも、それが仕事だと思っていた。家族のためだと思っていた。

そして、定年。

最初の1週間は、良かった。

「やっと、ゆっくりできる」

D男は、朝遅くまで寝て、テレビを見て、昼寝をして、また夕飯まで寝た。

でも、2週間目から、違和感を感じ始めた。

「あなた、ずっと家にいるの?」

妻が、冷たく言った。

「え…定年したし…」

「定年したからって、一日中家にいられると、邪魔なんだけど」

「邪魔…?」

「だって、私、今までずっと一人だったのに。急に毎日いられても、リズムが狂うの」

D男は、何も言えなかった。

「とりあえず、リビングにずっといるの、やめて。私、ヨガの時間なの」

「あ…うん…」

D男は、自分の部屋に行った。

でも、自分の部屋なんて、ない。

書斎はあるが、物置状態。妻の荷物だらけ。

「どこに…いればいいんだ…」

D男は、廊下に立ち尽くした。

昼食の時間。

D男がキッチンに行くと、妻が言った。

「自分で作ってね。私、友達とランチの約束あるから」

「え…俺の昼飯は…?」

「冷蔵庫に残り物あるから、適当に温めて」

妻は、そう言って出かけてしまった。

D男は、冷蔵庫を開けた。

昨日の残りのカレー。賞味期限ギリギリの納豆。

「これか…」

D男は、一人で昼食を食べた。

味がしなかった。

夕方、妻が帰ってきた。

「ただいま」

「おかえり」

「あなた、夕飯の買い物、行ってきてくれる?」

「え…俺が?」

「だって、暇でしょ?私、今日、疲れたの」

「わかった…」

D男は、スーパーに行った。

でも、何を買えばいいのかわからなかった。

妻に電話すると、ため息をつかれた。

「もういいわ。適当に買ってきて」

D男は、適当に野菜と肉を買って帰った。

「これ、全然ダメじゃない」

妻が、買ってきたものを見て、溜息をついた。

「この野菜、高すぎるし。肉も、こんな量いらないし」

「すまない…」

「もう、次から行かなくていいわ」

D男は、何も言えなかった。

夕食の時間。

二人で、黙って食べた。

会話はない。

テレビの音だけが、リビングに響いていた。

「そういえば、来週、友達と温泉旅行行くから」

妻が、急に言った。

「え…俺は?」

「あなたは留守番。女子会だから」

「そうか…」

「あ、それと、年金の振込先、私の口座に変えといたから」

「え…?」

「だって、あなた、お金の管理できないでしょ。私が管理するから」

「でも…」

「文句あるの?」

妻の目が、冷たかった。

「いや…ない…」

D男は、俯いた。

その夜、D男は一人で缶ビールを飲んだ。

「俺…何のために働いてきたんだ…」

40年以上、家族のために働いた。

でも、今、家に居場所がない。

妻からは邪魔者扱い。

子供たちも、たまに電話してくるだけ。

「もう…生きてる意味ないんじゃないか…」

D男は、天井を見つめた。

でも、この時のD男は、まだ知らなかった。

たった半年後、自分の人生が大きく変わることを。

そして、妻が笑顔で「ありがとう」と言ってくれるようになることを。

【続く】

※次回、D男に決定的な出来事が…!

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この記事を書いた人

年収300万円会社員。鬼女速、修羅場速報などを見ながら憂さ晴らし。
コロナの影響で無職になり、どん底から億女になった私。
お世話になったお礼に、修羅場の話をまとめました

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