私の知人F子（仮名）の話を聞いてほしい。
F子は52歳。独身。
両親はすでに他界。兄弟もいない。天涯孤独。
会社では、一般事務。年収は300万円。
毎日、会社と家の往復。休日は、一人で映画を見るか、スーパーで買い物。
「このまま、一人で老いていくのかな…」
F子は、毎日そう思っていた。
そして、ある日。
会社の帰り道、公園を通りかかった。
そこには、小学生くらいの男の子が、ベンチに座っていた。
時刻は、夜7時。
「こんな時間に、一人で…？」
F子は、声をかけた。
「君、大丈夫？」
男の子は、顔を上げた。
「…大丈夫です」
「お家は？」
「…お母さん、仕事で遅いから…」
「ご飯は？」
男の子は、黙った。
F子は、胸が痛くなった。
「おばさんと、一緒にご飯食べない？」
「…いいんですか？」
「うん。近くにコンビニあるから、おにぎり買おう」
二人で、コンビニでおにぎりを買った。
公園のベンチで、一緒に食べた。
「ありがとうございます」
男の子は、嬉しそうだった。
「お母さん、大変なんだね」
「うん…でも、頑張ってるから…」
F子は、男の子の頭を撫でた。
「偉いね」
その後、男の子のお母さんが迎えに来た。
「すみません…本当に、ありがとうございました…」
お母さんは、涙ぐんでいた。
「いえ…大変ですね…」
「シングルマザーで…仕事、2つ掛け持ちしてて…」
「そうなんですか…」
「本当に、ありがとうございました」
お母さんと男の子は、帰っていった。
F子は、その場に立ち尽くした。
「こんな子、他にもたくさんいるんだろうな…」
F子は、家に帰って、調べた。
『子ども食堂』
貧困家庭の子供たちに、無料または格安で食事を提供する活動。
「私も…何かできないかな…」
でも、F子の貯金は、100万円。
年収300万円では、子ども食堂なんて、できない。
「どうすれば…」
F子は、諦めかけていた。
その時、ある広告が目に入った。
『50代からでも稼げる。社会貢献しながら』
F子は、その広告をクリックした。
【続く】
※次回、F子の挑戦が始まる。子ども食堂への道…！
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