前回の続き。
B子の地獄は、まだ序章に過ぎなかった。
あの日から1週間後。
朝9時、B子が出勤すると、C美が課長と話していた。
「課長、ちょっと相談があるんですけど…」
「うん、どうしたの?」
「実は、B子さんのことなんですけど」
B子の名前が出た瞬間、心臓が止まりそうになった。
「B子さんが?」
「最近、ミスが多くて…しかも、私が注意しても直らないんです」
「そうなの?」
「はい。この前も、得意先に送る書類、間違えて送っちゃったみたいで。先方からクレーム来ました」
嘘だ。
その書類は、C美が作ったものだ。B子は封筒に入れて送っただけ。
でも、B子は何も言えなかった。
「そうか…年齢的なものもあるかもしれないね」
「そうですよね。あと、最近、勤務時間中に携帯で電話してるんです。介護のことみたいですけど、頻繁で…」
「それは…業務に支障が出るね」
「はい。私たち正社員が忙しい時に、B子さんは電話してるんです。正直、困ってます」
C美の声は、わざと大きかった。B子に聞こえるように。
課長が、B子の方を見た。
「B子さん、ちょっといいかな」
B子は、震える足で課長の前に立った。
「あの、C美さんから聞いたんだけど、最近ミスが多いって」
「すみません…でも、あの書類は…」
「言い訳はいいよ。ミスはミス。それから、勤務時間中の私用電話は控えて」
「はい…でも、親の介護で、どうしても…」
「それは分かるけど、会社の時間は会社のものだから」
課長は、そう言って席に戻った。
C美が、にやりと笑った。
その日の昼休み。
B子がトイレに行くと、後ろから声が聞こえた。
「ねえ、B子さんって、もう限界なんじゃない?」
C美と、同僚のD子が話していた。
「そうだよね。介護もあるし、年齢も年齢だし」
「自分から辞めればいいのに。会社も困ってるし」
「でも、お金がないから辞められないんじゃない?」
「あー、そういうこと。旦那の稼ぎが悪いんだ」
「可哀想ー。でも、使えない人に給料払うのも無駄だよね」
二人は笑いながら、トイレを出て行った。
B子は、個室の中で膝を抱えた。
涙が止まらなかった。
でも、泣いている場合じゃない。
午後も仕事がある。親の送迎もある。夕飯の準備もある。
涙を拭いて、トイレを出た。
その日の夕方。
デイサービスに母を迎えに行くと、スタッフの方が深刻な顔をしていた。
「B子さん、ちょっとお話が…」
「はい、何でしょうか」
「実は、お母様なんですが…最近、暴力行為が増えてきていて」
「すみません…」
「いえ、謝らなくて大丈夫です。ただ、このままだと、他の利用者様の安全も考えなければならなくて…」
「まさか…」
「お母様には、もう少し手厚い施設の方が良いかもしれません。ショートステイとか、特養とか…」
「あの、費用は…」
「ショートステイだと、週に数日で月10万円くらい。特養は、順番待ちですが、入れれば月15万円くらいですね」
月10万円。
B子のパート代では、全く足りない。
「少し、考えさせてください…」
「はい。でも、早めにお願いします」
家に帰ると、父が熱を出していた。
「お父さん!大丈夫?」
「B子…なんか、体が痛い…」
体温を測ると、38.5度。
すぐに病院に連れて行こうとしたが、母が「行かない!」と叫び始めた。
「お母さん、お父さんが病気なの!」
「知らない!あんた誰!」
母は、B子の腕を叩いた。
B子は、泣きながら夫に電話した。
「もしもし」
「お父さんが熱出して…病院連れて行きたいんだけど、お母さんが…」
「あー、俺、今、飲み会で…」
「え…」
「救急車呼べば?じゃあ」
電話が切れた。
B子は、その場に座り込んだ。
もう、限界だった。
何もかも、うまくいかない。
仕事でも、家でも、居場所がない。
「もう…嫌だ…」
B子は、スマホを握りしめながら、声を殺して泣いた。
その時、スマホに通知が来た。
SNSの広告だった。
『50代からでも人生は変えられる』
普段なら無視するような広告。
でも、その日のB子は、なぜかタップしてしまった。
そこには、こう書いてあった。
『年齢も、学歴も、経験も関係ない。
必要なのは、決意だけ。
私も53歳から、人生を変えました。』
B子は、その文章を何度も読み返した。
「本当に…変われるのかな…」
でも、この時のB子は、まだ半信半疑だった。
そして、翌週。
B子の人生を決定づける、ある出来事が起こる。
【続く】
※次回、B子が決意する瞬間。そして、C美との決定的な対決が…!
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